B&Gな日々

B&G財団っていう団体のスタッフが書く、徒然なるブログ

高まり始めた地域住民の健康意識

海洋センターを活用した地域コミュニティの再生に関するモデル事業
熊本県 湯前町(湯前町B&G海洋センター)10月レポート

湯前町B&G海洋センター 工藤陽平
 

湯前町B&G海洋センターでは、「B&G地域コミュニティの再生に関するモデル事業」を活用させていただき、ロビースペースとミーティングルームの改修を行いました。

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改修前のロビー。受付業務のみに利用していました

 

 

生まれ変わったロビースペース

これまでロビーは受付場所として利用していただけで、利用者の方が休憩を取るスペースはありませんでした。そのため、改修によって休憩場所として利用できるスペースを広く確保したうえで冷暖房・視聴覚器材を設置したので、各種教室時の憩いの空間、学習の場としての活用が可能になりました。

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ロビーの改修を行い、憩いの場、学習の場としても使えるようになりました

 

特に視聴覚器材については、町の選手が出場する大会の放送やイベント告知、過去に実施したイベントのスライドショーや町の紹介TV番組の放映など、さまざまに活用できるよう準備を進めており、地元出身選手の応援会や各種大会に関するインターネット配信も予定しています。

従 来、撮影した写真や資料は町で保管しているだけでしたが、大会やイベント風景などの画像を保存していくことで、デジタル図書館としての活用にも期待が寄せ られます。そのため、今後は各種教室の参加者のみならず、送迎をされるご家族の方やスポーツ愛好者が集まることのできる施設を目指していきたいと考えています。

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ロビーに導入された視聴覚器材。幅広い活用が考えられています

 

関心が寄せられている体成分分析器

ミーティングルームについても冷暖房設備を整えたほか、体成分分析器をはじめとする各種測定機器・運動器具(11月中導入)を配置することで、多目的運動施設としての活用を図っています。

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新たに整備されたミーティングルーム。

11月中には、すべての各種測定機器・運動器具の配置が完了する予定です

 

特に関心を集めているのは体成分分析器で、これによって利用者のカロリー処方(一日あたりの運動および食事でのカロリー指導と期間)を提示することが可能です。そのため、住民の皆さんの健康意識が刺激されるようになり、多くの皆さんが自分に何が必要なのかを知ることができるようになりました。

今後は、何となくウォーキングや軽運動に参加されていた方や、「運動に興味があっても何をすればいいか分からない」という悩みを抱えた方を対象に、体成分分析器を活用しながら健診センターと一体となった事業を実施しながら、個人個人にあった運動機会の提供や指導をしていきたいと考えています。

これまでも健康志向や運動習慣の意識高揚の機会は幾度もありましたが、個人向けのプログラム提供が難しく、センター指導者だけでは困難な状況でしたが、体成分分析器は自身の身体を知り運動意識の醸成を図る上で非常に有用だと感じています。

また、この器機を導入してからは、参加者同士が測定後にお互いの結果を見ながら会話が弾む場面も観られるようになりました。初めての方々でも健康測定値という共通の話題でお話しいただいており、参加者交流の一翼を測定機器が担ってくれています。

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すでにいくつかの器機が設置されていますが、

そのなかでも体成分分析器は利用者の大きな関心を集めています

 

<担当者の所感>

施設が新たになり、利用者の方々から期待の声を聞くことが多くなりました。これまでの「スポーツ施設」としての活用はもちろんのこと、今後は忙しい世代の親子の交流の場、または地域の方々の趣味や憩いの場として活用いただけるよう、事業展開を進めていきます。

また、さまざまな測定機・PC、視聴覚器材を揃えることができ、海洋センターで行う事業の幅も大きく広がりつつあります。今後、町で展開されるICT事業との連携なども視野に入れ、利用者のニーズに合わせて積極的に事業を展開していきたいと思います。
 
そのほか、親子で運動ができるベースアップ教室を新たに実施しており、家事や育児に追われていた方々が子供を連れて一緒に運動や学習ができるようになりました。そのため、親子交流の場、保護者間交流の場として関心を集めており、これまで海洋センターに馴染みがなかった方々の参加も増えてきています。これまでの海洋センターはスポーツサークルなど固定されたメンバーが集うような形でしたが、町内外の親子を参加対象とすることで今までにない交流の流れもできているので、参加者同士による新たなコミュニティ形成に大いに期待しています。

最後に、モデル事業としてB&G財団をはじめ医療関係指導者や大学生などと連携することができ、健診センターとの連携についても取り組むことができるようになったことをうれしく思います。これまで思い描くだけだった事業も形にすることができており、それぞれの現場で抱えていた課題や思いを収束していけるのではないかと感じます。今後も、各分野の指導者と連携しながら地域課題の解決に取り組むとともに、さまざまな利用者のニーズに応えられるようメニューの充実化を図りたいです。

 

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ベースアップ教室の様子。大人も子供も一緒になって身体を動かします

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ベースアップ教室を通じて、さまざまな交流が生まれています

 

<利用者の感想>

●体成分分析器について
・測る前は不安だったけれど、鍛えるところを詳しく知ることが出来て良かった。(50代女性)
・機械でここまで詳しく身体のことを知ることができて驚きました。日頃の運動や教室に参加しながら筋肉量の違いを考えて身体のバランスを取りたいです。 (30代女性)
・ 結果を友人と見るのが楽しかった。調整目標の期間までに良い数値が目指せるよう頑張りたい。
(50代女性)

 

●ベースアップ教室について
・子供と接する時間を取らなければと思っていた中で、ベースアップ教室に参加。子供と一緒に楽しく体を動かし、汗をかいて、お風呂で教室の話ができ、子供との時間が取れて大変良かった。(30代男性)
・お母さんと一緒に運動できて楽しかった。風船やフリスビーで遊べて楽しかった。 (男子児童)
・思っていたよりもハードでしたが、楽しく参加できました。 (40代女性)